隣の部屋が火事になった

お疲れ様です。

まだ一人暮らしをしていた頃の話です。

メゾネットで悠々自適に一人暮らしを謳歌していたあの夏の夜、

事件は起きました。

その日は大きな夏祭りがあり、夜は花火大会でした。

花火大会が終わり、次の日が仕事だったので早めに就寝。

そして真夜中、

「ドーン!ドーン!」

という爆発音が聴こえてきて目が覚めました。

寝ぼけていた僕は、

「まだ花火をやっているのかな?」なんてことを思っていました。

すると今度は、

「ドンドンドン!」と玄関の扉をノック、というか乱暴に叩く音が聴こえてきました。ここで完全に目が覚めました。

時計を確認。午前3時。

こんな時間に花火なんてやってるはずがねぇ。

っていうか真夜中に扉たたかれてる怖い。

色んな思いが錯綜する刹那、

「火事です!逃げて!逃げて!!」

女性のほぼ叫び声が。この声隣のヤンキーのお姉さんじゃね?

ふと窓を開けてみると、

「隣の窓からめっちゃ炎でてるーーーーーーー!!」

割れる隣の部屋のガラス、鳴り止まぬ爆発音。

そういえば部屋が暑い。

僕の部屋までは炎は届いていなかったものの、壁は熱くなっていました。

これやべぇ!早く逃げないと!ってか何もっていけばいい!?ってそんなこと言ってる場合じゃないか!!いや待って明日仕事!!って俺これ死ぬくね??

とりあえず財布と携帯を握りしめてビーサンで逃げ出しました。この状況をパニックと言うのだな。

外に出ると、事態はかなり深刻でした。隣の部屋の窓という窓全てから火柱が上がっている。

火元は隣のヤンキーのお姉さんでした。お姉さんはかなり取り乱し、「早く消防車きてー!」と絶叫。

僕の部屋を挟んで隣の部屋には親子が住んでおり、子供は泣き叫び、その隣のおっちゃんはパンツ一丁。

もはやカオスと化した我がアパートにようやく消防車が到着。その後地元の消防団も間も無く到着し、あっという間に消火が完了しました。

幸いにも僕の部屋は、エアコンの配管が燃えた程度の被害でした。

しかし鎮火してから地獄が始まりました。

消防隊のおっちゃん「安全確認のため、部屋に上がらせてもらいます!土足になりますがご容赦!」

と僕に告げるや否や、4、5名のフル装備消防士が土足で部屋に突撃。

安全確認とやらは終了しましたが、部屋は泥であふれました。

その後、隣の部屋だからという理由で、消防と警察からの聞き取りがあり、家の掃除を含めて朝6時頃にようやくひと段落となりました。

当時は病院で看護師をしており、隣の部屋が火事になったという理由で仕事は休めんだろうと思い、そのまま出勤。

勤務は8:15〜20:15という長時間勤務、通称ロング日勤。

朝3時から始まった僕の1日は、文字通りロングなものとなりました。

その後は工事が入り、工事の振動で食器棚の皿が割れるわ、日中に工事が入るので騒音で夜勤前の仮眠がとれんわで、工事が終了するまで中々しんどい思いをしました。

お姉さんからの謝罪は無し。

あまり愛想がいい人ではなかったし、謝罪してくるような人じゃねぇわな、と割り切っていました。

警察から「被害を受けた側だから、被害届を出すこともできるけどどうする?」と聞かれましたが、幸い怪我はなかったのと、さすがにお隣さんだしなぁという思いがあり、被害届は出さないことにしました。

工事が終わってからも、ヤンキーのお姉さんが帰ってくることはありませんでした。

火事のことも忘れかけていたある日、玄関のチャイムがなりました。

玄関先にはヤンキーのお姉さんとその彼氏。

「迷惑かけたんで、これお詫びです」

無愛想でぶっちゃけ非常識かなと思っていた人が丁寧に菓子折りをもって謝罪に現れたではありませんか!

正直「遅くね?」とも思いましたが、謝りにきてくれただけでも一瞬ちょっと嬉しくなりました。

適当に対応して、部屋に戻り、菓子折りを開けたところ、

箱「神戸スイーツポート」

「お前ワシに謝りにこんと旅行いっとんたんかい!!!」

1人で静かにブチギレましたとさ。

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