「米国株だけに投資するのは少し不安……」
「債券にも投資してみたいけど、何を買えばいいのかわからない」
「AGG、LQD、HYGって何が違うの?」
そんな疑問を持っている方も多いのではないでしょうか。
投資を始めると、S&P500やオールカントリーなどの株式投資信託を中心に考える人が多いと思います。
一方で、資産の一部に債券を組み入れ、株式とは異なる値動きをする資産を持つことで、
ポートフォリオ全体の値動きをマイルドにするという考え方があります。
リスクの分散ってやつです。
今回は、米国の代表的な債券ETFである、
- AGG
- LQD
- HYG
について、投資初心者の方にもわかりやすく解説します。
また、
- 債券とは何なのか?
- 国債と社債の違い
- SEC利回りとは?
- デュレーションとは?
- 債券にはどんなリスクがあるのか?
についても紹介していきます。
そもそも債券とは?
まず、債券について簡単に説明します。
債券とは、一言でいうと、
国や企業などにお金を貸し、その見返りとして利子を受け取る金融商品
です。
例えば国にお金を貸す場合は「国債」。
企業にお金を貸す場合は「社債」と呼ばれます。
国債とは?
国債は、
国にお金を貸して、その見返りに利子を受け取り、満期になったら元本を返してもらう権利
と考えるとわかりやすいでしょう。
例えば、日本政府にお金を貸すのが日本国債。
アメリカ政府にお金を貸すのが米国債です。
社債とは?
社債は、
企業にお金を貸して、その見返りに利子を受け取り、満期になったら元本を返してもらう権利
です。
つまり、
国債=国にお金を貸す
社債=企業にお金を貸す
という違いがあります。
そして、ここから重要なポイントがあります。
「誰にお金を貸すのか?」でリスクが変わる
債券を理解するうえで重要なのが、
誰にお金を貸しているのか?
ということです。
一般的には、信用力の高い相手にお金を貸す場合は、比較的低い利子でもお金を借りられます。
一方で、
「この会社、本当にお金を返してくれるの?」
と思われるような企業の場合、高い利子を支払わなければ投資家からお金を借りにくくなります。
つまり、
利回りが高い債券には、それなりの理由がある
ということです。
単純に、
「利回りが高いからお得!」
とは限りません。
この考え方を理解すると、AGG・LQD・HYGの違いもわかりやすくなります。
AGGとは?米国の債券市場に幅広く投資するETF
まず紹介するのが、AGGです。
正式名称は、iShares Core U.S. Aggregate Bond ETF

簡単にいうと、
アメリカのさまざまな債券に幅広く投資するETF
です。
投資対象には、
- 米国債
- 政府関連の債券
- 住宅ローン関連の債券
- 投資適格企業の社債
などが含まれています。
つまり、米国債だけに投資するETFではありません。
AGGの特徴
AGGの最大の特徴は、
幅広い債券に分散投資できること
です。
1つの企業や1種類の債券だけに投資するのではなく、さまざまな債券をまとめて保有できます。
イメージとしては、
「米国債券のオールラウンダー」
という感じです。
もちろん、オールカントリーのように世界中の債券に投資するわけではありませんが、
「米国の債券市場に幅広く投資したい」
という場合にはわかりやすい選択肢の一つです。
AGGはどんな人に向いている?
AGGは、
- 株式だけでは不安
- 債券を資産に組み入れてみたい
- 1種類の債券に集中したくない
という人が検討しやすいETFです。
ただし、
債券ETFだから価格が下がらないわけではありません。
金利が変化すると、AGGの価格も変動します。
LQDとは?信用力の高い企業の社債に投資するETF
次に紹介するのが、LQDです。
正式名称は、iShares iBoxx $ Investment Grade Corporate Bond ETF

LQDを簡単にいうと、
信用力の高い企業が発行する社債に投資するETF
です。
ここで出てくるのが、
投資適格
という言葉です。
投資適格とは?
投資適格とは簡単にいうと、
比較的信用力が高いと評価されている債券
のことです。
もちろん、
「絶対に倒産しない」
という意味ではありません。
ただし、信用力が低い企業と比べると、比較的安定した企業の債券を中心に投資します。
LQDの特徴
AGGと比較すると、LQDは企業の社債が中心です。
つまり、
AGG → 米国のさまざまな債券に幅広く投資
LQD → 信用力の高い企業の社債に集中して投資
という違いがあります。
企業にお金を貸すため、米国政府にお金を貸す場合などと比べると、
企業が経営不振になり、お金を返せなくなるリスク
があります。
これを、
信用リスク
と呼びます。
その分、国債などと比較すると、より高い利回りが期待されることがあります。
HYGとは?高い利回りを狙えるハイイールド債ETF
最後に紹介するのが、HYGです。
正式名称は、iShares iBoxx $ High Yield Corporate Bond ETF

名前にもあるように、
ハイイールド債に投資するETF
です。
ハイイールド債とは?
ハイイールドとは、
その名の通り、
高い利回り
という意味です。
信用力が比較的低い企業は、投資家からお金を借りるために、より高い利子を支払う必要があります。
そのような企業が発行する債券が、ハイイールド債です。
別名、
ジャンク債
と呼ばれることもあります。
HYGは高利回りだけどリスクも高い
HYGの特徴は、
比較的高い利回りを期待できること
です。
しかし、その分、
信用リスクも高くなります。
景気が悪くなり企業の業績が悪化すると、
「この企業は本当に借金を返せるの?」
という不安が高まります。
その結果、ハイイールド債の価格が大きく下落することもあります。
そのため、
HYG=安全な債券
と考えるのは注意が必要です。
場合によっては、株式市場と似たような動きをすることもあります。
AGG・LQD・HYGの違いを簡単に比較
ここまでを簡単にまとめると、以下のようになります。
| ETF | 主な投資対象 | 特徴 | リスクのイメージ |
|---|---|---|---|
| AGG | 米国の幅広い債券 | 分散投資 | 低〜中 |
| LQD | 投資適格企業の社債 | 比較的信用力の高い企業 | 中 |
| HYG | ハイイールド社債 | 高い利回りを狙える | 高 |
ざっくりイメージすると、
AGG
債券を幅広く持ちたい人向け
LQD
比較的信用力の高い企業にお金を貸したい人向け
HYG
リスクを取って高い利回りを狙いたい人向け
という違いがあります。
SEC利回りとは?
債券ETFについて調べていると、
SEC利回り
という言葉が出てきます。
初心者の方には少し難しく感じるかもしれません。
簡単にいうと、
現在の債券の状況から見て、どのくらいの利回りが期待できるかを判断するための目安
です。
ただし、
SEC利回りが5%だから、毎年必ず5%の利益が出る
という意味ではありません。
債券価格や市場金利などによって数字は変化します。
そのため、
「今の利回りはどのくらいなのか?」
を比較するための一つの指標として見るとよいでしょう。
デュレーションとは?
もう一つ覚えておきたい言葉が、
デュレーションです。
デュレーションは簡単にいうと、
金利が変化したときに、債券価格がどのくらい動きやすいのかを見る目安
です。
一般的には、
デュレーションが長いほど、金利変化による価格変動が大きくなりやすい
と考えます。
例えば、デュレーションが長い債券ETFは、金利が変化したときに価格が大きく動く可能性があります。
なぜ金利が上がると債券価格が下がるの?
債券投資では、
金利が上がると債券価格は下がりやすい
という関係があります。
例えば、あなたが年利3%の債券を持っているとします。
その後、市場金利が上昇して、
「新しく発行される債券は年利5%です」
となったらどうでしょうか。
投資家からすると、新しく発行される5%の債券のほうが魅力的に感じます。
すると、3%の債券の魅力は相対的に下がります。
そのため、
市場金利が上昇
↓
既存の債券価格は下がりやすい
という関係になります。
逆に、
市場金利が低下
↓
既存の債券価格は上がりやすい
という関係になります。
これを理解することが、債券ETFに投資するうえでとても重要です。
債券には「金利リスク」と「信用リスク」がある
債券ETFを見るときは、利回りだけではなく、
主に次の2つのリスクを理解しておきたいところです。
金利リスク
金利が変化することで、債券価格が変動するリスクです。
特にデュレーションが長い債券は、金利変化の影響を受けやすくなります。
信用リスク
お金を貸した相手が、
利子や元本を返せなくなるリスク
です。
一般的には、
信用力が低い企業ほど信用リスクが高くなります。
その代わり、高い利子を支払って投資家からお金を借りようとします。
そのため、
高利回り=低リスクではない
ということを理解しておく必要があります。
日本人が米国債券ETFに投資するときは為替にも注意
日本からAGG・LQD・HYGなどの米国ETFに投資する場合、もう一つ考える必要があるのが、
為替リスク
です。
例えば、
1ドル=160円のときに米国ETFを購入したとします。
その後、
1ドル=140円になれば円高です。
米ドル建てのETF価格があまり変わっていなかったとしても、日本円に換算した資産価値は下がる可能性があります。
逆に円安になれば、日本円換算の評価額は増える可能性があります。
つまり日本人投資家の場合、
- 債券価格
- 金利
- 信用リスク
に加えて、
為替の変動
も考える必要があります。
「債券=安全」ではない
債券というと、
「株式より安全」
というイメージを持っている人もいるかもしれません。
しかし、
債券ETFも価格が変動する金融商品です。
特に、
- 金利が上昇する
- 企業の信用不安が高まる
- 為替が大きく変動する
などによって、価格が下落することがあります。
そのため、
債券だから絶対に損をしない
というわけではありません。
まとめ|AGG・LQD・HYGは目的によって使い分けよう
最後にまとめます。
AGG
米国のさまざまな債券に幅広く投資。
債券を分散して持ちたい人向け
LQD
信用力の高い企業の社債に投資。
少し高い利回りを狙いつつ、比較的信用力の高い企業に投資したい人向け
HYG
信用力が比較的低い企業の社債に投資。
高い利回りを狙える一方、リスクも高い
債券ETFを選ぶときに大切なのは、
「利回りが一番高いものを選ぶこと」ではありません。
「誰にお金を貸しているのか?」
「どんなリスクがあるのか?」
「自分の資産全体の中で、どんな役割を持たせたいのか?」
を考えることが重要です。
株式だけに投資するのか。
株式と債券を組み合わせるのか。
正解は人それぞれです。
大切なのは、
自分が安心して長期間持ち続けられる資産配分を考えること
ではないでしょうか。
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今回の記事の内容は、YouTube動画でも初心者向けに詳しく解説しています。
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動画はこちら↓
【初心者向け】米国債券ETFとは?AGG・LQD・HYGの違いをわかりやすく解説!
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この記事は特定の金融商品の購入を推奨するものではありません。投資には価格変動リスクがあり、元本割れする可能性があります。投資判断は、ご自身の判断と責任で行ってください。


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