時間食い(ときくい)という生命体をご存知だろうか。ちなみにかの名作RPG続編の真のラスボスのことではない(僕は大好きクロノクロス)。
時間食いは実際に存在する生命体だ。しかも身近に存在している。そして私たちに与えられた貴重な貴重な1日24時間という時間をやつらは獲物にしている。
現生人類に与えられた時間は、我が国で約85年。人類の命とも言える「時間」を獲物にする時間食いは、人類にとっての脅威の一つとして恐れられている。
時間食いの基本生態
姿形はほぼ我々現生人類(ホモサピエンス)と酷似している。というかホモサピエンスである。
体長・重さはかなり個体差があり、外見でそれが時間食いであるかどうかを判断することはかなり難しいとされている。
食生態も現生人類のそれと非常に酷似している。というか同じである。
時間食いは生命を維持するための栄養摂取(つまり食事)に加え、その名の通り、他の生命体の「時間」を食べる。そしてそれが人類への脅威となる。
時間食いが捕食対象とする「時間」
地球には無数の生命体が存在しており、それぞれの命が皆有限である。つまり全ての生命体に須く「時間」が与えられている。
数多の生命体の中で、時間食いが捕食対象とする「時間」はたった一つ。他のホモサピエンスの時間である。
人類がいつまでも脅威に晒され続ける理由がこれだ。時間食いはホモサピエンスの時間しか食べない。人類はいつだって時間食いに狙われ続けているのだ。
時間食いの「時間」の捕食方法
ではどのようにして時間食いは他のホモサピエンスの時間を捕食している(食べている)のだろうか。
捕食行為はある程度パターン化されており、多くの捕食行動は以下の過程で行われる。
①捕食対象の選定
②釣り
③時間食い
④仕上げ
各段階の解説を行なっていく
①捕食対象の選定
時間食いは多くの場合、物理的距離の近いホモサピエンスにターゲットを絞る。具体的には、同じクラスの隣の机の者、同じオフィスの隣の机の者などが該当する。コンビニの店員や開業医、行政窓口職員を捕食対象とする大胆な例も確認されている。恐ろしいことにターゲットの選定は時間食いにとってほぼ無意識下で行われている。そして時間を食う行為に対する罪悪感は全くない。
②釣り
時間食いの最も恐ろしい行為がこの「釣り」の段階だ。「釣り」とはターゲットとしたホモサピエンスを捉え、確実に時間を食える状況にもってくる行動を指す。どのように釣りが行われるかは時間食いの個性によるが、大きなパターンとして「何かに困っているような様子の独り言のような言葉を発してターゲットの方から話しかけさせる」「ググる前に『わかんなーい』とターゲットに詰め寄る」があるとされる。いずれにしてもターゲットの善意を狙った非常に悪質な釣り行動といえる。そして釣られてしまったターゲットにはもはや逃げる術はない。
③時間食い
そして時間食いによる「時間食い」がシームレスに開始される。食い方はこれまた時間食いの個性に左右されるためかなり個体差がある。しかし時間食い行動は「その時間食いは概ね同一の捕食行動をとる傾向にある」ということが明らかになっている。例えば下記の例だ。
「パワーポイントの使い方を永遠と解説させられる」
「ワードの行間の調整方法を何回も説明させられる」
「エクセルの数式の入れ方を何度も聞いてくる」
「私ってここ(現在の職場)でやっていけるのかな、と週に3回以上聞いてくる」
「他のホモサピエンスの悪口を永遠と聞かされる」
こうした行動が時間食いによる「時間食い」だ。おわかりだろうか、我々人類が日々時間食いの餌食となっていることに。ホモサピエンスに与えられた貴重な命の時間が、やつらのよくわからん欲求の餌食となっているのだ。ググレカス!
④仕上げ
たっぷりと時間を平らげた時間食いはほぼ全てこの仕上げの行動を起こす。具体的には「ありがとう」「気持ちがすっきりした」「あなたがいてくれるから頑張れそう」などといった謝礼行為だ。時間食いが悪質とされる真の理由はここにあるのかもしれない。やつらはターゲットにお礼を言うことで、ターゲットから「時間を食われた」という認識をなくしてしまうのだ!あなおそろしや!
そしてまた同じようにターゲットから時間を食い漁る。こうなっては時間食いの食糧庫になったも当然である。
また、憐れみの思いを抱いて間違ってもこちらから時間食いに電話をすることをしてはいけない。時間も財産も失う羽目になる。
撃退法
現代を生きる恐ろしい生命体「時間食い」だが、撃退法が存在する。下記のいずれも有効な撃退あるいは防衛手段となるため参考にされたい。
・「今ちょっと忙しいのでまた今度改めて時間をとります」と言い続ける
・「自分で1回調べてもらっていいですか」と言う(ストレートにググレカスと言ってもOK)
・時間食い行為が始まったら「はい、はい、えー、まじすか、はい、えーほんとに?」を繰り返し言う(時間食いの話す内容を理解しようとせず相槌のみ打つ)
・時間食いからの電話には基本出ない(ラインも無視)
・時間食いにこちらから電話をしない(特にプライベートなシーンではこちらからの電話はNG)
思い切って時間食いから話しかけられても無視をするという方法も有効だ。また、荒技だが、時間食いに話しかけられたら「え、なんですか!?」と大声で言う、話しかけられたら舌打ちをする、こうした対処も有効だ。自分の時間は自分で守るしかない。
身近に当然のように存在する恐怖「時間食い(ときくい)」
とある調査によると、人類のほぼ100パーセントが時間食いのターゲットにされ、実際に時間を食われていることが明らかになっている。時間食いの被害に遭っているにもかかわらず、食われているという認識がないホモサピエンスの割合も非常に高いとする報告もある。この記事を読まれた方たちは是非認識を新たにし、時間食いの脅威から自分の時間を守っていただきたい。この報告書が自分の時間を守るための一助になれば幸いである。
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