【看護師の新たなキャリア】訪問看護師への転職

訪問看護は、看護師にとって新たなキャリアの可能性を提供する魅力的な分野の一つです。訪問看護師は、患者さんの自宅を訪問して医療・看護サービスを提供し、患者さんが住み慣れた自宅で快適に生活できるようサポートします。訪問看護への転職を考える看護師さんに向けて、その魅力や準備すべきことについて説明します。

記事作成者:ダディー(保健師・看護師・介護支援専門員・看護学修士)
看護師歴17年目。急性期外科病棟、看護教員を経て、現在は地域包括支援センターで保健師をしています。看護学修士。自分自身も病棟勤務に馴染めず悩み転職を繰り返した経験があります。
自分の転職経験や、病院の中から外から色んな看護師さんと出会った経験をもとにできるだけリアルな声を伝える記事を心がけています。

訪問看護師の魅力は何といっても患者さんが望む「自宅」での暮らしをサポートできることにあります。病棟とは違う、患者さんが住み慣れた家での暮らしそのものを支えていくことは、とてもやりがいのある仕事です。

患者さんのもつ疾患は幅広く複合的です。また、単独で訪問することが多いため、幅広い知識と緊急時も対応できるスキルが求められます。

気になるお給料について教えてほしいニャ

年収は450~500万円程くらいだよ。訪問看護ステーションは規模が比較的小さい傾向にあるから、キャリアや実績があればすぐに管理職に就き、更なる収入アップが見込めるよ。お仕事の内容について、詳しく説明していくね。

訪問看護師の魅力「患者さんと家族にしっかりと寄り添う」

訪問看護の魅力は何といっても患者さんが望む「自宅」での暮らしをサポートできることにあります。訪問看護では、患者やその家族との信頼関係を築く機会が多くあります。患者の自宅で訪問を行うことで、患者の生活状況やニーズをより深く理解し、個別に対応することができます。

患者さん一人一人にじっくりと関わることができる: 訪問看護は、患者一人ひとりに焦点を当てた個別のケアを提供することができます。患者の自宅での環境やニーズを考慮しながら、個別にカスタマイズされた看護計画を立案し、その実行をサポートします。

家族のサポート: 訪問看護師は、患者の家族や介護者に対してもサポートを提供します。家族に医療やケアに関する情報や教育を提供し、介護の負担を軽減するための支援を行います。

継続的なフォローアップ: 訪問看護は、患者の状態や治療の進行を定期的にフォローアップする機会を提供します。定期的な訪問を通じて、患者の健康状態や治療効果をモニタリングし、必要に応じてケアプランを調整します。

患者さんの看護以外にも何か仕事があるのかニャ?

看護業務だけでなく、地域貢献として地域のコミュニティにおける健康増進活動(健康教室、介護予防教室)にも講師として参加することがあるよ。
地域住民や在宅医療・介護保険サービス等と連携し、地域全体の健康増進にも関わっていくんだよ。地域看護だね。

求められる資質とスキル「幅広い知識・在宅での創意工夫」

厚生労働省の調査によると、訪問看護師の行う業務の上位3位は、「病状観察」「家族への介護指導」「身体の清潔保持の支援」となっています(引用:厚生労働省0000170290.pdf (mhlw.go.jp)

訪問先で実践する看護業務は、病棟で行う看護業務と変わりありません。看護を提供する場所が「患者さんの自宅」になるだけです。ベッドサイドは患者さんの自宅です。患者さんの自宅で点滴をして、住み慣れたお風呂で入浴を介助し、患者さんに適した方法で服薬管理を支援していきます。ストーマの管理、創の洗浄や軟膏塗布、HOT(在宅酸素)の管理などなど。そして患者さんの自宅は、病院のように医療資源が豊富ではありません。自宅にある資源を活用し、工夫して看護を実践する必要があります。患者さんの自宅で、患者さんとその家族にマッチした、まさにオーダーメイドの看護を提供することになります。

そして訪問看護は、幅広い医療領域(内科、外科、整形外科、精神科など)に関わります。また、高齢者ケアから小児看護、慢性疾患管理、終末期ケアまで、様々なライフステージにある患者層や疾患に対応することが求められます。

他にはどんなスキルが求められているのニャ?

他にはコミュニケーション能力やスケージュール管理の能力かな。患者さんやその家族と密接に連絡を取り合う必要があるから、コミュニケーション能力や人間関係の構築能力が求められると思うよ。訪問日程の調整するスケジュール能力や、状況の緊急性を判断する能力も必要だね。

うぅ・・・、なんだかとっても難しいそうな仕事だニャ・・・

そうだね。でも最近は新卒で訪問看護を採用しているところもあるし、少しでも看護師経験があればウェルカムなので積極的に考えてみていいと思うよ。

転職の準備と注意点「転職先のリサーチ」

転職を考える前に、訪問看護の仕事内容や特性を理解することが重要です。訪問看護の現場での経験や見学、先輩訪問看護師とのインタビューなどを通じて、実際の業務内容を把握しましょう。

転職のときに何か注意することはあるかニャ?

訪問看護ステーションによっては体験入職をしているところもあるので活用してみるといいね。訪問看護に自信がなければ、各地域の看護協会で訪問看護に特化した講習会を開催しているのでチェックしてみてね。

転職を検討する際には、自身のキャリア目標や志向に合った訪問看護のポジションを選択することが重要です。特定の患者層や医療領域に興味がある場合は、その分野に特化した訪問看護のポジションを探すことが有益です。

訪問看護は、患者中心のケアを提供し、患者の自立や生活の質を向上させることができるやりがいのあるキャリアの選択肢です。転職を考える看護師は、訪問看護の魅力や準備すべきポイントを理解し、新たなキャリアの可能性を探ってみることをお勧めします。

訪問看護師の将来性「専門性の特化・企業」

近年、テレヘルスやリモートケアの技術が進化しており、訪問看護師が遠隔地から患者のケアを提供することが可能になっています。このようなテクノロジーの利用により、訪問看護の範囲や効率性が向上し、新たなキャリアの可能性が広がっています。

訪問看護の分野にはさまざまな専門領域があります。高齢者ケア、小児看護、在宅ホスピスケアなど、特定の患者層や疾患に特化した訪問看護のポジションがあります。自身の興味や専門知識を活かし、専門領域に進出することで、キャリアの成長が見込めます。

なんだかとっても将来性のある仕事のように思えてきたニャ

最近は新卒の訪問看護師も増えてきているし、経験のある看護師さんは新卒看護師さんの教育や指導の役割を担うことがあるよ。自分の経験や知識を共有し、次世代の看護の育成に関わることができるのは魅力だね。そして訪問看護ステーションの管理職(経営責任者)は看護師だから、自身でステーションを立ち上げて、経営者になることも夢じゃないよ。

訪問看護は、看護師にさまざまなキャリアの成長と可能性を提供する分野です。自身の興味や目標に合わせてキャリアパスを選択し、訪問看護のポジションで自身の能力を最大限に発揮し、充実したキャリアを築くことができます。

訪問看護師の年収「常勤で約480万円」

お給料はどんな感じかニャ?

中途採用だと常勤で約450万円くらいは見込めると思うよ。時間外のオンコール手当や、管理職手当がつけば更に収入アップが見込めるよ。

訪問看護師の平均的な給与は、一般的には以下のような傾向があります。

経験: 経験豊富な看護師は、通常、より高い給与を得る傾向があります。特に、訪問看護の経験が豊富である場合は、給与が増加することがあります。

地域: 日本の地域によっても給与水準は異なります。都市部や大都市圏では一般的に給与が高く、地方や人口の少ない地域では給与が低めになる傾向があります。

雇用形態: 看護師の雇用形態によっても給与に差が生じます。正社員や常勤で働く場合は、通常、安定した給与が得られる傾向がありますが、非常勤やパートタイムの場合は時給や月給が異なることがあります。

施設の規模: 訪問看護を提供する施設の規模によっても給与に差があります。大規模な訪問看護組織や病院に勤務する場合は、通常、給与が高めに設定されることがあります。

日本の訪問看護師の平均給与は、一般的には年収300万円から600万円程度とされていますが、上記の要因によって大きく異なる場合があります。訪問看護の需要が高まる中、給与水準も向上する傾向がありますが、地域や経験などの要因を考慮して転職先を検討することが重要です。

なんだか訪問看護師になりたくなってきたニャ

病院のように検査やオペ出しに追われることがなくて、じっくりと患者さんと関わることができるのが何よりの魅力だね。今後需要も高まる領域なので、興味のある方は早めに一度経験しておくことをお勧めします。

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